やめる?やめない?

私の息子は剣道を2、3年やっていますが、「もうやめたい」と言ってきました。

私はやめたらいいと思うのですが、私の母は「せっかく続けてきたのにもったいない。続けるってことは大事なことなんだよ」と言っていました。

やめるというと「いくじなし」「我慢ができない」「頑張れない子」そういった言葉を使って心理的な圧迫をかけられることがあると思います。私はそんな経験をこれまでたくさんしてきましたし、今も言われます。でも、そういった圧力に屈せずに、さらりと、軽やかにやめることは大切なんじゃないかと私は考えています。

もちろん、継続は大事です。成果を出すためにはコツコツ継続が必要なのはいうまでもありません。努力せずに自分の求める成果が出ることなんて絶対にありません。

しかし私はそれ以上に、その前段階の、自分の時間をどこに投資するのかという投資対象選定の方がはるかに大事だと考えています。どんなリターンを求めて、何を頑張るのか、そこの思考を大事にしてほしいのです。それを考えず、無思考に「続けることが尊いんだ」とただ人に言われたことをずっとやり続けるのは私は危険だと思います。これ!と思ったものはとことんやり込む、いまいちだなと思ったら、軽やかに捨て去る、それがいいのです。

子供にとって(大人にとっても)楽しさというのは大事なリターンだと思うので、それを感じないならば、やめてもいいと思いましたし、私なりにも息子にとって剣道を続けた方がいいか考えてみましたが、考えた結果、続けるリターンは低いと思いましたので、やめていいよと伝えました。

しかし、次の日「お父さん、やっぱり剣道続ける」と言ってきました。

ばあばに何か脅しをかけられたんだなと思い、理由を聞くと、

「試合に勝ったら、お金あげるって言われた」

らしいです。

こんな誘導は全然想定していませんでした。

それを聞いて、そういえば、自分も小さいころ「〇〇したらお金あげる」に憧れていたなあと昔の気持ちがよみがえってきたのでした。「お皿洗ったら100円もらえる」「草むしりしたら100円もらえる」そういうルールが家にはあると友達から聞いたときはうらやましくて仕方ありませんでした。

何回か親にお願いしましたが、「お金をもらえるから仕事をするとか、そんなんじゃだめだ。対価をもらわなくても仕事をするものだ」そういわれました。この意見に当時の私は全然納得していませんでしたが、反論しても無駄なので、不満を抱えて黙っていたのを覚えています。

私の経験からも、子供にとってお金の魅力は大きいのは知っているので、そういう判断をするならそれでいいとは思いますが、でもモチベーターがお金っていうのはレベルが低い気がするので、徐々にこの感性を変えていってほしいと思います。これって、自分のやりたいやりたくないの気持ちよりお金の方を優先するってことですから。

「ばあば、僕をバカにしないでくれ。僕の大事な人生なんだ、命なんだ。僕はやりたいことをやる。それはお金なんかで動かされるものでは決してない」

なんて言えば、見所あるな、と思うのですが、まだまだです。