待つ 1

From : 眞田

保護者様との面談の際に、

「なぜうちの子はこんなに成績が伸びたのですか?家での様子も明らかに変わりました。」

と言われました。

そう、劇的に変わりました。だからこそ、本人もご両親もこれまで1ミリも考えたことなかったであろう高校を受験することを提案したくて、面談させていただいたのです。

では、お母さんがおっしゃるとおり、なぜ、劇的な変化が起こったのでしょうか。その要因は、

わからない

です。

私は生徒の成績を大きく向上させて、別人のようにしてあげたいと思っていますが、どのようにその変化を起こせるのかはよくわかりません。わかっていたら塾生全員を時習館に合格させてあげられるのですが・・・。方法はわからないのですが、しかし、私はその大きな変化を「狙って」いるのです。

変化を起こす方法はわからないのに、それを実現しようと思っている。

どうやって?

それが「待つ」です。

大きな変化が起こりそうな時を、ただ、待ちます。私は、この変化の初動を機敏に捉えて、そこから一気に働きかけを行うことで、大きな変化の流れを起こそうとします。

これまで、どのように生徒を伸ばしていくかについての私の考えをお母さんに話したことはほとんどありません。まず、面談でその種の話になることは少ないですし、またお母さんから「どうしたらやる気にさせられますか?」と聞かれて「やる気になるのを待ったらいいと思います」と言ったところでお母さんの心が晴れるわけがありません。だから言わないほうがいい。とかいいながらここで言っていますけど。

私は変化を起こすことはできないけれど、変化の芽を感じることができて、変化の流れを大きくすることはできるので、生徒の様子には気をいれて観察しています。プリント、答案、言動、取り組みの様子など、色々なところでチェックを入れています。

授業中は一番前にいて、生徒の勉強の様子をじっと観察したりしてますから、生徒の中には逆に「眞田は何考えているのかな」と探ってくる子もいますので、そういう子とはよく目が合いますね。

勉強していて疑問が出た時は私に合図を送ってくれる子もいて、初めは少し手を上げたりしてくれたものが、顔をこちらに向けて合図を送ってくるようになり、今では視線を送ってくるだけになりました。生徒に試されています。