From:眞田
保護者様との面談の際に、少し豊田高専の話をしましたので、ここでも書いてみようと思います。
今年は豊田高専の説明会に参加してきました。参加した理由は就職や進学の状況について知りたかったからです。
豊田高専は理系重視の流れも受けて、少子化の現代にも関わらず、近年、倍率、難易度がだいぶ上がってきており、確か私の記憶が正しければ、5年前くらいから難易度がぐんと上がり始めました。
そうだとすると、今年は厳しい入試を勝ち抜いた精鋭たちの卒業の年であり(高専は5年で卒業 一部7年で卒業)、その方たちがどんな実績を残したのか知りたかったのです。
説明会の冒頭、先生が「まず初めに、せっかくの機会なので、今しかできない話をしたいと思います」
お?
期待が高まります。
「実は昨年、情報工学部棟が新しくなりました」
とそこから、リフォームした建物の話をし始めました。
先生はとても嬉しそうに話し始めました。ほんの少しの紹介かと思いきや、説明会60分のうち45分を使って、ただひたすらリフォームの話・・・。結局、棟全部の部屋の説明をしてくださいました。
解体しているところの映像を流してくださり「実はですね、これを再利用しているんですよ、だからほとんどコストがかかってません」と満面の笑顔。
なんだか、小学生が新築した家を友達に自慢したくてしたくて仕方ない感じ。
もういい加減、リフォームの話はいいって、保護者は就職とか進学実績を知りたいんだって、とは思うものの、先生はとても嬉しそうだからまあいいか、と私は最前列でオーバーリアクションで反応し、先生の話に興味ある風で付き合うことにしました。
完全な偏見ですけど、こういうを見ると、やっぱり理系の人って人の気持ちがわからないのだな、理系の女子枠って必要なのかもしれない、なんて思ってしまいます 笑
「残り時間がわずかなので、簡単に就職や進学の状況をお伝えします」
ここで、ようやく保護者たちはガサゴソ動いてメモの準備 笑。
私のメモ書きによると、本科(5年)の求人倍率は33倍。専攻科(7年 大卒資格をもらえる)だと123倍と脅威の倍率です。ちなみに大卒の求人倍率は、現在1.7倍くらいです。
我々、保護者世代は高専が就職がいいのは知っています。しかし「高専が就職いいのは知っている。でも大卒ではないから、給与テーブル、昇給テーブルが大卒と違うから不利である」と思っている方が多いと思います。
給与テーブル、昇給テーブルは会社それぞれであり、様々な人事評価があると言っていいのですが、先生がおっしゃったのは
「うちは職種、待遇などが4年制大卒同等の企業を推薦している。その点は安心してもらっていい。大卒よりうちの卒業生の方が優秀だから、入社後はだいたい大卒より給与が高くなっていますね」とのことでした。
これには驚きましたが、まあでもこの求人倍率ならそうなりますよね。完全に就職希望者優位であり、条件が悪ければそもそも選んでもらえません。
今は人材不足の背景から、高専全体的に、大卒同等の待遇での採用する大手企業が増えているそうです。若いうち(20歳)から優秀な人材の青田買いを目論んでいるようです。
進学(高専は大学編入になる)についても、私が予想した通り、びっくりするくらいの素晴らしい実績でした。
就職実績、進学実績ともに詳細な資料をいただいたのですが、「これらはネットにアップしないでください」と言われたので、残念ですがお伝えするのは控えます。
高専の場合は進学するとしても、ほぼ100%国公立大学に進学できるので、これは魅力的です。国公立大学進学率だったら、文句なく、圧倒的に、豊田高専が愛知1位の実績です。
実は、理高文低の流れもありますが、情報感度の高い親たちに豊田高専は隠れた進学校として認識されてきて、入試難易度が上がってきました。それを示すかのように、就職より進学希望者が増えてきています(先生から聞きました)。
一番興味のある、就職、進学については簡単な説明で、時間が来てしまいました。
「時間が来たのでこれで終わります。説明会は以上なのですが、保護者のみなさん、もしよろしければ、情報工学部棟をこれから見て回りませんか」とルームツアーが始まりました。
先生、いい加減にしなよ、と思いつつも、笑顔が素敵で、楽しそうで、見ているこちらが幸せな気分になります。
私はさすがに付き合えないなあと思って、ルームツアーについていかずに、帰ろうとしましたが、別の先生が一人会場に残って片付けをしていました。
いくつか知りたいことがあったので、その先生に話しかけたところ、その先生がとても話せるクチで、全然出まわっていない情報をたくさん教えてくださいました。
聞いているこちらですら、こんなことしゃべっていいの?と不安に思うくらいだったので、一応、塾の先生やってます、という身分は明かしました。そして広まっては困ることは言わないでくださいね、と伝えました。
「本業の方だったのですね!道理で色々と詳しいわけだ!」と、むしろ、コイツは話せるヤツ認定されて、さらに話が盛り上がりました。私が知らないことばかり出てきて、めちゃくちゃ有意義で楽しかったです。
私は職業柄、色々と高校や大学の方針、状況などチェックしています。世の流れなどを鑑みて、私の中でずっと、「〇〇大学は△△の制度を導入するのではないか」と予測を立てて、調べていました。
たくさん調べてもその情報が全然出てこないから、自分の読みが外れたか、と思っていたら、「実はまだ公表されていないのですが、〇〇大学から内々にこういった話が来ていて・・・」と先生からその情報が出てきました。
やっぱりそうだったか!と私は大興奮です。
まさか高専の先生からその情報が出てくるとは・・・。私にとってはそれが一番の説明会の収穫でした。ネットで調べても全然出てこないから、説明会に参加しなければ知ることはありませんでした。あと、ルームツアーに参加しなくてよかった 笑
説明会に参加すると、文字だけでは伝わらない、その学校の空気感が分かるものです。
「成績が最下位の子の親御さんが心配して相談に来られるときもありますが、まず、うちに入れる時点で他の高校生より上です。最下位であっても就職も進学もできますから、心配ありません (`・ω・´)」
「企業界から人材を送り込んでくれという声が強い。高専生は大学生より専門知識があるし、手が動くから重宝されている。大学からもぜひ来てくれと言われるんです (n*´ω`*n)」
と先生がおっしゃっていて、豊田高専は勢いがあるな、自信満々だなというのは伝わってきました。