「秘伝」の扉の鍵を持っているか

From : 眞田

 

勉強の仕方を教えてほしい(教えてやってほしい)

とよく言われます。そしてこれからも、この仕事をし続ける限り、ずっと言われ続けるのでしょう。「またやり方か…」と思ってしまう自分がいますが、そう尋ねたくなる人の気持ちもわかるので、相談者の気持ちに沿って対応していこうと思っています。

 

実は、短期間で、劇的な成果をだす秘伝は、あります。

ただし、その秘伝の扉を開けるための鍵が必要なのです。

その鍵を持っていない人は、秘伝を受け取ることはできません。

 

みんな効果的な勉強法を知りたがるのですが、伝えたところでそのまま受け取りません。「使えそうだな」と思ったのだけ使って、「意味なさそうだ」と思ったものは無視してしまう。ここに大きな落とし穴があります。これは「成功したければ成功者の真似をしろ」この方法論がうまくいかない原因の一つです。

 

例えば、計算ミスを減らすための基本アプローチとして、「途中式を書く」があります。これを伝えたとしても、書かない子が出てきます。書かない子の考えとしては、「書かなくても計算はできる」「書くと時間がかかる」従って「途中式は書く必要がない」という判断でしょう(この思考が無意識のうちに行われていることがあります)。

 

そして、「ケアレスミスを減らしたいのですが、どうしたらいいですか?」と質問されます。もうすでに言ってるのに…。アドバイスしているのに…。それを弾いて「別のアドバイスをくれ」と言われます。私は一体何を伝えたらいいのだろうか?

私ができることは、効果的なアドバイスをすることではなくて、その子の感性に合致した「それっぽい」アドバイスをすることなのでしょう。

 

 

私は、ほとんどの子が苦しみの道に迷い込む一番の原因は「自分は〇〇が全然わかっていない。もう一度基礎から丁寧に勉強しよう」こう思考が働くことにあると考えています。

計算ミスの話はまだわかりやすいですが、この話になると全員ついてこれなくなる。経験と思考が全然足りていないので、「基礎から勉強しようと思ってしまうところに問題があるんだよ」と言ったところで全く伝わりません。中学生はそもそも習っている内容のレベルが高くないので、まあいいかって感じですが、高校生には受け取ってもらいたい内容です。

 

それともう一つ大事な考え方があるので、その二つを自分のものにしてもらえば、偏差値が急上昇して偏差値70の扉が開きます。

一番肝心なところは、勉強法というより、思考法といえるのかもしれません。

 

私たちは、「こうやれば成果が出る」と考えて勉強するわけですが、なかなかうまくいきません。ということは、私たちが自然習得してきた知識や考え方に何か問題があるといえる。

そこから抜け出さなくてはなりませんが、なかなか難しいことです。まずは、いつも言っていることですが、認識から始めましょう。「今の自分の考え方に問題があるのではないか」そう問を持つことで少しずつ変化が訪れます。